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て、ちょっと!?
ばっ!と振り向くと、モンスターがゆっくりと近づいてきている。
周りはモンスターの大群。私達は二人。
絶望的だ。
「ど、どどどどどどうしましょう!?」
顔を真っ青にして慌てながら聞く。対するシオンは
「ま、何とかなるよ。」
マイペースだった。
そりゃ、さっきまでほのぼのに会話してたんだけどさ…(私もすっかり忘れてたし。)
この状況はまずくない!?もう勇気とかの問題じゃないよ!?間違いなく死ぬ!!
「がぁぁぁぁ!!」
その時、一匹のモンスターが、弓で矢を放ってきた。
え!?遠距離系もいんの!?
って、ぎゃあぁぁぁ!!矢が!矢が降ってくるぅぅ!!
わー!!と叫びながら降ってくる矢を避ける私。
…あれ?
私、魔王ですよね?
なんで同族に襲われてるの?
なんかおかしくない!?
モンスターってわかんないのこいつら!?
「バカだからね。モンスターって知能高いのあまりいないからさ。見た目で判断してるんじゃないの??」
矢を避けつつ、剣を抜かないで体術で近くのモンスターを倒す勇者様。強いっすね~…。
あ。私、リミッターつけているから、人間の姿なんだった…。
(※リミッターっていうのは、魔力が普通よりあり、使いこなせないモンスターがつける物。使いこなせなかったら命の危険があるからねby勇者)
それにしてもね…野生の勘でわかるもんじゃない?
ほら、人間の第六感とかさ。
「リリス、モンスターじゃん。」
そうだけど!
何故かナチュラルに会話している私と勇者。
…なんで私、こんな普通に心の声で会話してんの?
た、確かに声にだすと「無理です!」とかしか言わないけどさ。むしろ心の中の方がよく喋るけどさ…。
考えごとしていたせいか、石につまづいた。
「え…あだっ!!」
で転ぶ。
お約束だよね。主人公がドジふむって(笑)
…まずいですねー。
顔を上げると、自分に狙いを定めているのか、矢、矢、矢。
はい!?
魔王終わりかここで!?
え、連載終了!?
早いだろ、ちょっと!!
まだ、勇者と戦ってないし!(むしろ協力してるし)
魔王みたいな仕事してないし!(むしろ人間の為になることしかしてない。モンスター退治とか。)
それから…
それから……。
まだたくさん未練あるんですけど――――!!
次にくる痛みに、私は目を閉じた。
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