勇者様は最強!?

9/12
前へ
/39ページ
次へ
て、ちょっと!? ばっ!と振り向くと、モンスターがゆっくりと近づいてきている。 周りはモンスターの大群。私達は二人。 絶望的だ。 「ど、どどどどどどうしましょう!?」 顔を真っ青にして慌てながら聞く。対するシオンは 「ま、何とかなるよ。」 マイペースだった。 そりゃ、さっきまでほのぼのに会話してたんだけどさ…(私もすっかり忘れてたし。) この状況はまずくない!?もう勇気とかの問題じゃないよ!?間違いなく死ぬ!! 「がぁぁぁぁ!!」 その時、一匹のモンスターが、弓で矢を放ってきた。 え!?遠距離系もいんの!? って、ぎゃあぁぁぁ!!矢が!矢が降ってくるぅぅ!! わー!!と叫びながら降ってくる矢を避ける私。 …あれ? 私、魔王ですよね? なんで同族に襲われてるの? なんかおかしくない!? モンスターってわかんないのこいつら!? 「バカだからね。モンスターって知能高いのあまりいないからさ。見た目で判断してるんじゃないの??」 矢を避けつつ、剣を抜かないで体術で近くのモンスターを倒す勇者様。強いっすね~…。 あ。私、リミッターつけているから、人間の姿なんだった…。 (※リミッターっていうのは、魔力が普通よりあり、使いこなせないモンスターがつける物。使いこなせなかったら命の危険があるからねby勇者) それにしてもね…野生の勘でわかるもんじゃない? ほら、人間の第六感とかさ。 「リリス、モンスターじゃん。」 そうだけど! 何故かナチュラルに会話している私と勇者。 …なんで私、こんな普通に心の声で会話してんの? た、確かに声にだすと「無理です!」とかしか言わないけどさ。むしろ心の中の方がよく喋るけどさ…。 考えごとしていたせいか、石につまづいた。 「え…あだっ!!」 で転ぶ。 お約束だよね。主人公がドジふむって(笑) …まずいですねー。 顔を上げると、自分に狙いを定めているのか、矢、矢、矢。 はい!? 魔王終わりかここで!? え、連載終了!? 早いだろ、ちょっと!! まだ、勇者と戦ってないし!(むしろ協力してるし) 魔王みたいな仕事してないし!(むしろ人間の為になることしかしてない。モンスター退治とか。) それから… それから……。 まだたくさん未練あるんですけど――――!! 次にくる痛みに、私は目を閉じた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加