小さな旅は終わりを告げ―…。

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「あ、城ですね!!」 モンスター退治を終えて、正気に戻った勇者と共に、帰ってきた。 目の前に城が見える。 …半壊だけど。 「え…と、あれシオンさんが?」 私が確認の為に聞くと、こくん、と頷いた。 「ごめんね…。リリスの住むところなのに…めんどくさくて、壊した方が侵入するの楽かと思ってさ。」 …今、さりげなくめんどくさいって言いましたよね💧 ま、まぁ、いいか…。 勇者は、私を城に送ってから、村長に制裁…報告に向かうらしい。 …これで、お別れなんだ…。 ツキンと胸に痛みが走った。 城の前についた。 私はくるりとシオンの方に回る。 「それじゃ、お別れですね。」 笑顔で言う。 けれど、何故か、悲しくて顔をよく見なかった。 「リリス、じゃあね。」 にこりと笑って、勇者は旅立った。 …なんか、意外にあっさりだったな…。 と思いながら、城の中に入った。 私は気づかなかった。 よく見ていなかった。 シオンが、含みのある笑顔をしていたのを。
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