prelude~とある魔王様の日常~

3/3
38人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
城の中にある豪華な広い部屋。 そこにモンスター数匹と、少女がいた。 「無理無理ムリ!!私に村を襲えって…逆に殺される!!」 少女はシーツにくるまって怯えていた。 深紅の瞳には涙が。 「いやしかし魔王様!あなたにはそろそろでてもらわなければ…。それにモンスターの軍も一緒ですし…。」 「それでもムリ――!!だって私弱いから、すぐスパッと殺されちゃう!!」 泣き叫んでいる少女は、リリス。四大魔王の一人である。 今から、初めてとある人間の村を襲う手筈だったのだが…その指揮をとるはずの魔王が怯えていて、モンスター達が説得していた。 「で、ですが、フィリア様が、いつまでも魔王なのに人殺さないんだったらダメだろ、と伝文が…。」 ビクッと体を震わせる少女。顔は真っ青。 「で、でもでもでも!そんなこと言ったって、怖いのは怖いんだもん!仕方ないじゃんか!!」 「貴女それでも魔王なんですか!?」 「なりたくてなったわけじゃないんですが!?」 ギャーギャーと言い合う、魔王と従者。 もっとも、一人はベッドでシーツ被っているが。 てか、お前ら上下関係いいのか?は置いといて…。 この城では日常茶飯事なのだ。 「とにかく、無理ですから――――――――!!」 そんな感じで、結局は。「初!村襲撃大作戦!」は、魔王が無理と言った理由で今日も不発になった。 今日も平和です。 by兵士一同 これが、とある魔王様の日常である。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!