重なり合った夜

10/38
3168人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
翌日の日曜は、地元で映画とショッピングモールを楽しむ為に、俺たちは夕刻に観光地を出発して往路を辿る。 約3時間掛けて地元に辿り着いた時は、20時を過ぎていた。 助手席では、彼女がスヤスヤと寝息を立てている。 あれだけはしゃいでいたら、流石に疲れるだろう。 一人運転に没頭している俺はあまりにも暇で、信号待ちをしている間に、彼女の幸せそうな寝顔を隠し撮りしてやった。 コレ見せたら絶対激怒するなー! そんなことをしているうちに無事、地元に辿り着いた。 取り敢えず、待ち合わせのコンビニまで戻って来た俺は、彼女を起こさないようにそっとドアを開け外に出た。 ジーンズのポケットからタバコとジッポを取り出し、夜風を避けるように少し前屈みになりながら火を点ける。 タバコの煙を何度目かに肺へ吸い込んだその時、俺のケータイが電話の着信音を発した。
/333ページ

最初のコメントを投稿しよう!