3168人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
…
ごめん…ミユさん。
気付いてあげられなくて…ごめん。
俺はこの時まだ、貴女の苦しみを知らなかったんだ。
貴女がいつも0時前に寝てしまう訳も。
毎晩のように枕を濡らしながら眠り、虚しく迎える朝も。
見えない明日に怯える脆い心にも…。
ねぇ、ミユさん?
もう泣かなくていいよ。
これからは俺が守るから。
貴女がずっと笑顔でいられるように…。
……………
………………………
自慰行為を終えた俺は、まだ瞼の奥に映る彼女の残像が消えないうちに、吸い込まれるように眠りの世界へと入っていく。
外からは、心地よい雨音が耳元を奏でていた。
まるで、この慕情を盛り上げるかのように。
そして、この雨音が彼女の涙だとも気付かずに…。
…
最初のコメントを投稿しよう!