誕生日と消えゆく命

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「ありがとう、ミユさん…俺、泣きそう…」 「えっ?うそ?」 「ハハッ、うそ!ケド、その位嬉しいかも!」 「アハッ、面白いね、ヒカルくんって。…そういえば、私たちってまだ逢ったことないんだよね?」 「そうだったね!」 「逢った途端にヒカルくんの気持ち、ガタ落ちだったりして」 「大丈夫!俺はミユさんのこと、外見だけで好きになった訳じゃないし」 「じゃあ、好きになってくれた理由って何?」 「うーん…すぐ拗ねるところ!」 「は?何ソレ!意味分かんないし!」 「アハハ!ほらぁ、拗ねてるー!」 「あっ…もぅ!苛めないで!」 「ハハッ!ミユさん可愛いー!てか、早く逢いたい!」 「うん、逢いたいね!ケド…ごめん…。多分ヒカルくんの誕生日には間に合わないよ…」 そう言った彼女の声は、少し寂しげだった。
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