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「瞬」
ぽん、と肩を叩かれる。
ゆっくり顔をあげると泣きながら透馬が立っていた。
一気に力がぬけ、
涙があふれ出る。
「…うっ…うぅ…」
「…瞬、頑張ったよ。
大丈夫、瞬、大丈夫だから。」
透馬は俺の肩に手を置いたまま、隣にしゃがみこむ。
「ごめんね、瞬…
俺が…最後、内角に入れるようにサインすれば…」
「…何…言ってんだよ
お前のせいじゃねーよ…」
ゴツッと透馬の頭を殴る。
「…行こ、瞬。」
「……」
黙って頷くと、
透馬が腕をひっぱり俺を起き上がらせた。
ベンチに戻ると、
何人かの泣き声が聞こえた。
ゆっくり顔を上げると、
スコアボードを持ったままの美來と目が合う。
しばらくすると、次々と美來の目から涙がこぼれた。
……は。
泣いてんの?コイツ。
『…あのっ…うっ…』
泣きすぎていて、
うまく声を出せていない。
『…ごめんっ…ね…』
細い腕で、涙を拭きながら、謝ってきた。
「…何謝ってんだよ。」
『…だって…』
意味わかんねぇ…
何泣いてんだコイツ。
…泣かしたの、俺か。
「おい、出るで。もう次の試合があんねん。」
ぞろぞろと部員達がベンチを出ていく。

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