マリオネット

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『ひひひ、さぁこのリンゴをお食べ。美味しい美味しいとっても美味しい林檎だよ』 操り人形の糸を引いて腹話術で話す。童話を演じたりたまにオリジナルストーリーで喜劇をやったりもする。今日は幼稚園で白雪姫をやっているんだ。 ああ、この魔女の人形は本当はどんな事がしたいのだろう? 今は僕に操られて悪い悪い魔女の役だけど本当はとてもいい人だったりするんだろうか? この首の糸をちぎってしまえば勝手に動き出して白雪姫を助けたりするんだろうか? 『それで白雪姫はどうなったの?』 ああ、如何、如何、最近は職業柄なのは人形の本当の人格について考えたりするんだけどそんな時はついボーってして手が止まってしまう。 さてと、もう一仕事して帰るとするか。 『ねぇ、おぢちゃんの後ろについてるその糸なぁに?』 ん?糸だって操り人形の糸でも首に絡まってるのかな? でも、手元に人形はあるしなぁ。どうせ糸くずかなにかだろうし払うか。 『悪いけどお嬢ちゃん、後ろについてる糸とってくれないかな?おぢさんは手がはなせないんだ。』 さて、とってもらったら続きをするかね 痛っ お嬢ちゃん髪の毛じゃなくて糸くずだよ え?糸をひっぱてるんだって? プチッ その音と一緒に僕の意識はブラックアウトした。
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