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―――1時間後
階段の下で、2階の自分の部屋にいるであろう息子を呼ぶ母親。
「ご飯できたわよーっ。降りておいで!」
いつもはこの声ですぐ部屋から出て来るのに、なぜか今日は応答がない。
不思議に思った母親は、階段を上り、息子の部屋の前まで行く。
すると、部屋の中から携帯が鳴っている音が聞こえた。
しかし携帯の音はいつまでも止まず、止めようとする気配さえない。
一瞬、嫌な予感が胸を過ぎり、部屋のドアをコンコンと叩く。
その途端、携帯の音が止まった。
「どうかした?‥開けるわよ。」
ガチャリとドアノブを回した途端、鼻につんとくる鉄の臭い。
視線の先には、
真っ赤に染まった、最愛の息子。
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