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『あげな～い』
その言葉は 岬の声では無いことに､声のトーンですぐ分かった…
どちらかと言うと
男の人の声｡
私と岬 二人の間に
手が スッ と伸びてきた
おしゃれ系のスラッとしたスーツの袖が
二人でつかんでいた【春ちゃん先生愛用ボールペン】を一瞬で奪い取ってしまった…………
『ちょっ！………待ってよ！………それ！…んん！！？？？』
『学力学年１位の斎藤香奈ちゃんが【オレのボールペン】を欲しがるとは思わなかったよ』
私がボールペンを奪いかえそうとした瞬間
人差し指と中指の二本の指が私の唇をふさいだ
その指の持ち主は
先生にしては長めの髪に
おしゃれメガネに
おしゃれスーツ
そう………、
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