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「実は私、半年前にあなたの実家を訪れたんです。あなたのお父様へ恩返しがしたくって。そしたらすでに亡くなられていて…それでも私は折原家になにかお礼がしたかったんです。」
香澄は僕にそう言った。僕はそんなこと全然知らなかった。
彼女はさらに続ける。
「それで私はこう言ったんです。『私をこの家で雇ってください。なんでもいたします。』でも、折原家はもうお手伝いさんは足りていると。私はすっかり困り果ててしまいました…。」
そこで黙って聞いていた由衣が話しだす。
「その時私こう言ったんだ。『じゃあ私のお兄ちゃんのところに行ってみたら?お兄ちゃん一人暮らしでなにかと大変らしいから。それにお兄ちゃんってお父さんによく似てるよ。』ってね。」
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