第四章 由衣のお兄ちゃん観察日記

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火曜日 今日の朝、お兄ちゃんからこんなメールが来たの。 「由衣、どうしよう。香澄さんが今朝から一言も口聞いてくれないんだよ。僕、何か悪いことしたのかな?」 「お兄ちゃん…ひょっとしてベッドの下見られた?」 「いや、見られてないよ。夜中あの子が寝た後にこっそり本の処分は…って、なんでそんなこと知ってんだ!」 「さあね♪でも香澄ちゃんにも話したくない時があるのかもよ。きっと夕方には話してくれるようになるって」 私はこう返信したの。それにしても香澄ちゃん、どうしたんだろうな? 夕方再びお兄ちゃんからメールが来たわ。 「由衣、助けてくれ。香澄さんまだ口聞いてくれないんだよ。どうしよう!」 「わ、わかったわ、今から行くから」 私は急いでお兄ちゃんの部屋に向かったわ。 「こんにちは、香澄ちゃん」 「……。」 「今朝から口聞いてくれないってお兄ちゃん言ってるけれど、なにか悩みでもあるの?」 「……あ、あの…」 香澄ちゃんはやっと口を開いた。 「じ、実は…わ、私…」 彼女は半泣きで私を見たわ。どうしたんだろう。深刻な悩みかしら? 「わ…私」 「?」 「…私、朝から歯が痛くてたまらないんです~っ!!でも、私歯医者は死ぬほど苦手なんです~っ!」 「………」 …結局、私が彼女を歯医者に連れて行ったわ。 ああ、やれやれ。
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