第七章 二人のメイドと一人の主人

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(そういえば、由衣と寝るのは子供の時以来だな…) 僕は子供時代を思い出す。 由衣は体調の悪い時、よく僕と寝たがった。僕と一緒だとよく眠れる。そんなことを言っていたことを思い出した。 「ねえ、お兄ちゃん…。」 由衣が僕に体を寄せながら口を開く。 「私、あさってからまた検査入院するんだ…。」 「そうか…。」 僕は由衣の気持ちを案じた。由衣にとって入院ほど不安なことはないだろう。 「だから入院する前にいつもお世話になっているお兄ちゃんにお礼がしたくって、今日の事を思い付いたの。」 「……。」
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