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僕はとりあえず彼女を部屋に入れてもっと詳しく話を聞いていることにした。
「あのさ、僕の父さんに命を助けられたってどういうこと?」
「あれは私が11才の時でした。私は重い心臓病にかかってしまいました。けれども私の家は貧しくて治療代もままならず、私は生死の境をさまよっていたのです。」
「へぇ…」
「そんな時偶然私の家の隣にある旅館に泊まっていらしたあなたのお父様がそのことを偶然耳にして、なんと知らないうちに私の治療費を立て替えてくれたのです。」
「…あっ、そういえば!」
僕はそこで思い出した。
確か父親が島根に一人旅をした時、病気の女の子を助けてあげたと言う話を聞いた覚えがある。当時はあまり気にも留めなかったが。
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