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久しぶりに見る、アヤの心からの笑顔かもしれない。
「ありがとう。」
アヤは僕の身体に腕を回して、胸に顔をうずめてきた。
「こんなに私の事を考えてくれてるなんて思わなかった。」
いつも考えてるよ。
「惚れ直した?」
彼女はそれには答えず、返事の代わりに顔を胸に押し付けた。
「愛が溢れてる?」
愛…そうだ。僕は彼女から一度も「愛してる」の言葉を聞いていない。
自分も一度しか言ったことがないから人の事を言えた義理ではないけど、この機会に言ってほしいなぁ。
「“愛してる”は?」
アヤにキスをしながら言葉を求める。
「知らない。」
「照れちゃダメだよ。ほら。」
キスが激しさを増してくる。
言葉を求めながら、言葉を発する事ができない程の口づけをする。
「…。」
そうだね。
僕たちの間に言葉はあまり意味を為さないかもしれない。細かいニュアンスは通じないのだし。
その代わりに愛が溢れたら、やっぱり子作りだ。
今日の子供だったら、最初から愛情満タン、きっといい子が生まれてくると思うんだ。
僕はアヤをソファに座らせると、そのままそっと、その愛しい身体を押し倒した。
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