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「痛いわよクソガキいいいいい!!」
血まみれの、生きているのが不思議なくらい顔の半分を削げ落とされている女が、エレベーターに向かって走ってきた。
彼はすかさず、サイレンサーを女に向けた。
「言っていなさい」
引き金を引いた。
音なく、銃弾は音の頭を撃ち抜いた。女はカッと目を見開いたまま、倒れた。
「・・・・」
「さて、参りましょう」
公久はエレベーターの扉を閉めた。そして、地下へ向かうボタンを押した。
「・・・あんた、なに?」
少女がまた訊ねてくる。名前ではなく、公久が何者かと訊ねているのだろう。
「・・・だから、貴女を保護しに」
しかし、公久はあえて詳しく言わなかった。後に詳しく話すことになるだろうから。
「貴女はこのイカれた病院から解放されるのですから、よいでしょう」
公久がそう言うと。
「・・・化物を、野放しにしたいの?」
少女が、小さな声で呟いた。公久は無視した。
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