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・・・あの、病院。
「言うのを忘れていましたが、貴女がいたあの病院は普通の病院ではありませんよ」
「・・・間宮がおかしかっただけじゃなく?」
間宮とは、多分あの公久が先程殺した女の事だろう。
「・・・伊緒理さん。あの女は貴女を殺そうとしたのですか?」
「初めて名前で呼んだな。・・・そうだよ。食い殺されそうになった」
食い殺されそうに。・・・やはり、そういう部類の人間か。
「キミヒサさん。あれ、なんなのか知ってるの?」
「・・・ええ。だいたいは」
公久は卵の乗った皿を取り、一貫食べた後、こう答えた。
「いわゆる、人食い。カニバリズムの人間です」
───ぶっ。
「!」
「げっほごほ・・・」
伊緒理が咳き込んだ。どうやら驚いて飲んでいた水が気道に入ったらしい。
「・・・何をしているんですか」
「か、カニバリズム、って・・・宗教的なものじゃなかった?」
14の少女がカニバリズムを知っていた。珍しいが、話が進みやすくなるので公久は彼女に話し続けた。
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