自由

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「かつてはそうでしたが、今では完璧に『食材』として扱わるています。・・・カニバリズムの横行はこの国ではその絶頂期が、10年前です。10年前、何があったかはご存知ですね?」 「・・・・」  コクリ、と伊緒理が頷く。 「・・・母が、逮捕された」 「そうです。貴女の母、赤沼 ゆきえが逮捕された年です。・・・逮捕された理由、知っていますか?」 「・・・・誘拐に、大量殺人って聞いた」  やはり、そこまでしか知らないかと公久は思った。  それなら、話すべきだろう。 「もっと細かく言えば、カニバリズムの主犯格でもあったのです」 「!」  さすがに考え付かないような事を聞き、伊緒理は明らかに驚いていた。
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