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《寛史side》
寛史「渡辺さん?渡辺さん…?…い?」
彼女の名前を呼び続けてもなんの返答もない。
自分が最後に葵と呼んだことさえ気がつかない。
円「び、び、病院に運びましょう。あっ、救急車の早い!」
周りが騒然となって他の部署からも様子を見にくる奴が出てきて社内は騒がしくなってきた。
寛史「いや、彼女を家に連れて帰る。」
どうして葵を家に連れて帰ろうと考えたのか、正直わからない。
ただ、その方が良いんじゃないかと思った。救急車を呼んだらおおごとになる。
今も十分おおごとなのだが救急車を呼べば更に大変なことになってしまうだろう。
寛史「竜崎さん、タクシーを呼んでくれ。彼女を家に連れて行く。救急車を呼んだら彼女だって会社に来づらくなるだろう。」
円「あっ、はい。」
ものわかりのいい竜崎さんで助かった。
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