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通学用の靴(靴も指定されてるらしい)を履いて家を出た俺は、鍵を閉めて町を浅ヶ谷町内を散策し始める。
因みに、黎明学園までは俺の家(?)から真っ直ぐ10分ほど歩けば着くようだ。
取り敢えず浅ヶ谷駅方面へ向かい、その周辺をゆっくりと歩いて行く。
少なくとも、あまり変な場所へ行く事は出来ない。
方向音痴という弱点を持つ俺の事だ…
帰り道が分からずに泣きを見るに違いない。
15歳にもなって迷子になるとかいうのは、いくら何でも恥ずかしいわ…。
町を少し歩いて行くと、同じブレザーを着た女の子達の姿がちらほらと見え始める。
だが…
俺には弱点がもう一つある…
それは…女の子だ。
さすがに男子相手なら普通に話せるけど、女子に対しての免疫は無い。
その理由は…
恥ずかしいことに、小学生時代…
初めて引っ越した時だったか、越した先で入った小学校で女子からイジメられて…
それ以来、女子と話す事、近付く・近付かれることもダメになった。
あの頃の俺はチビで弱々しくて、ちょっとした事で泣き出す程の泣き虫だったんだ。
きっとそのせいでイジメられたんだろう…。
今となっては笑い話となってるけどな。
ある程度の散策が終わり、俺は学園へと向かう。
時間は8時17分…
まぁ、俺の視線の先に黎明学園の校舎らしき建物があるんだけどな。
とにかく…
俺は足早と校門へと歩を進めていく。
ていうか、ものの2分ちょいで着いちまったし…。
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