第二章 螺春は日本に向かう

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 ――そして。  彼との出会いを切っ掛けに、私は自分と言う存在を色々と変えて行きたいと思う。  私が、遠く極東の国まで海を越えてやって来た大きな理由は、過去の自分と言う物を捨てる為。  最終的には日本の国籍を得て、平凡な日本人女性として生きる事を目指している。  少し前までの私は、過去の自分をなくしてしまう事に、いくらかの不安と抵抗感を受けていた。  けれど、宏和くんとの出会いで……私は確信した。  彼と一緒なら――きっと、私は変わる事が出来る。  少し前までの私には、もう一つの選択肢が生きる道としてあった。  それは、子供の頃から母に教えられた拳闘術を極めて警察官となり、一つでも多くの犯罪を防ごうとする道だ。
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