第三章 祝・御入学

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 互いに五十音でも、そこそこ近い所にあり、男女が対になって机が並んでいる関係から、これまた偶然席が隣になったりする。 「ぐ、偶然も、ここまで来ると……なんか、人為的な物を感じるね……」  まぁ、お約束ですから。 「別にイイんじゃないかな?。  私は宏和くんの隣で、逆に安心したよ」  螺春は素直に隣同士だった事を喜んでいた。  そんな中――。 「――よぉ、こんちわ!」  ……なぁ~んて声が、二人の耳元に転がって来る。  その先にいたのは、見たこともないヤサ男だ。  恐らく、ここの制服を着ているんだから、同級生なのだろう。  余談だが、寿高校の制服は紺のブレザーに同色のスラックス。  ネクタイは学年によって異なり、一学年は赤いネクタイを付けている。
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