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人間が可能な気迫とは到底思えない。
「ぐ……このぉっ!」
気迫に押され、恐怖で心が押し潰されそうになる。
……しかし、彼には彼なりの――男としての意地がある!。
「本来、女には手を出さない俺なんだが……」
そんな、言い訳にも似た言葉を呟き――彼はにぎりコブシを螺春に振り降ろそうとした。
――だが――。
重伸が右拳を振り降ろそうとした場所に、螺春の姿はなかった。
素早すぎて見えなかったのだが、螺春は軽くニ、三歩うしろに下がった後、今度は前を向いて勢い良くジャンプしていた。
重伸に向かって高さ1メートル以上の跳躍力を見せた螺春は、軽やかに宙を舞う。
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