第三章 祝・御入学

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 人間が可能な気迫とは到底思えない。 「ぐ……このぉっ!」  気迫に押され、恐怖で心が押し潰されそうになる。  ……しかし、彼には彼なりの――男としての意地がある!。 「本来、女には手を出さない俺なんだが……」  そんな、言い訳にも似た言葉を呟き――彼はにぎりコブシを螺春に振り降ろそうとした。  ――だが――。  重伸が右拳を振り降ろそうとした場所に、螺春の姿はなかった。  素早すぎて見えなかったのだが、螺春は軽くニ、三歩うしろに下がった後、今度は前を向いて勢い良くジャンプしていた。  重伸に向かって高さ1メートル以上の跳躍力を見せた螺春は、軽やかに宙を舞う。
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