第四章・僕、私の新学期

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 僕は重いため息を吐き出しつつ……昼休みにぴろちゃんへと果たし状を渡した。      ◇ぴろちゅん◇  時間が経つのは早い物で、気付けば二週間もの日が過ぎていた。  日本にやって来てからの生活は、実に単調な暮らしだ。  しかし、とても安穏としている。  宏和くんとの平穏な日々は……存外、私の性に合っているらしく、本来なら馴染みのない物でもすんなり溶け込む事が出来た。  ――まあ、日本特有の性質や文化も、自然の成り行きから覚える事が出来、  かつまた、意外と馴染みやすい。  今では日本に来た事を幸福と感じている。  母親が死んだ事で日本に来ていると言うのに……考え方によっては親不孝な話だ。
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