第四章・僕、私の新学期

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 私は謝ってスグに宏和くんから目を反らした。  反らしたけど……。  やっぱりどうしても気になるよぅ……ふぇ~ん!。  無意識に涙を流してそうだ。  ……あ、やっぱり少し出てる。  ――ごしごし。  両手でササッと涙を拭いてた頃――。 「うわっ! ヤバイよコレ! ホンキで美味い!。  真面目な話、お世辞抜きに美味しいよ、ぴろちゃん!」  私にとって一番聞きたかった声が、最も嬉しい形で私の耳に飛び込んで来た。 「ほっほんと!」  私は天にも昇る程の幸福感を得ていた。  よ……よかったよぅ……ぐす、朝5時に起きて作って……  これで―― 『美味しくない』  ――とか言われたら、もう……私、立ち直れなかったよぅ……。
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