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それから月は流れ、翌年3月末日。
私は柊商事を退社して彼と一緒に「カフェ・ミシュラン」で働いている。
私が働くようになってから(自分で言うのもなんだけど)お客入りが良くなった。売上が証明してくれている。
『いやー最近いつ来ても混んでんのねーここ。』
真希が年下の彼氏とたまにやってくる。
「あー真希、久しぶり。私が作ったおにぎりなら残ってるけどそれでも良い?」
『馬鹿、冗談言ってないで早くメニュー見せなさいよ。』
真希は相変わらず柊商事で頑張っているようだ、彼氏とも問題なく楽しくやっているらしい。
私の恋愛もペースはゆっくりだがそれなりに順調だ。去年のクリスマスも、新年も、彼と一緒に私は過ごした。
彼は相変わらず私にキス以上の事はしてこないし料理ばっかやっているが、私生活になると誰よりも私を愛してくれているのを実感する。
明日は彼の誕生日。
私は彼に新しい包丁をプレゼントするつもりだ。高い買い物だったけど、彼が使ってくれるならそんなの全然苦にならない。
明日が誕生日だってのに彼は顔色一つ変えずに料理を作っている。
本当、変人と捉えても仕方ないくらいの人だけど…。
私はそんな彼を愛してる。
私は彼の為になら死ねる。心からそう思う。
ふふ、明日が楽しみだな。
【BGM ひと恋めぐり...柴咲 コウ】
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