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どのくらい寝たんだろう、目を覚ますと誠が嬉しそうな顔で見下ろしていた。
「………!!!?」
(どうしたんだろう、体が動かない!!声も出ない!!)
焦って私は誠に助けを求めた。
『大丈夫ですよ、すぐに済みますから…。本当は貴方が眠っている間に済ませたかったのですが。』
(すぐに済む!?何の話!?)
『貴方と以前スーパーでお会いした時に何て言ったか覚えていますか?』
(え?)
誠の様子が明らかにおかしい。
『この辺りの食材はあまり良いものがない、やはり直接産地から仕入れないと。何故だか分かりますか?』
(何、何なの………!?)
『愛情がね、違うんですよ。農家の方々の。ほら、見てください。』
「………!!!?」
誠の手に握られていたのは、まぎれもなく
人間の足だった。
『ほら、素晴らしい。僕への愛に満ちています。こんなに素晴らしい食材はありませんよ。』
まさかと思ったが、
右足がなかった。
『僕への愛に満ちた貴方は今最高の食材へとなり得たのです。貴方から頂いた包丁で貴方をさばかせて頂いております。』
誠は私の喉元に包丁をあてがった。
『素晴らしいですね、貴方は最高の食材だ…。愛していますよ…。』
誠の微笑み、首から何かが入ってくる感覚。
私は今度は…
醒めない眠りについた。
【BGM Drink it down...L'Arc~en~Ciel】
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