-久方の-

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翌日。 ………orz。 「…何でよ、何で私のトコだけ誰一人男の子が寄ってこないのよっ!!」 『あー…ちょっと気合い入れてたのが伝わり過ぎてたかもねぇ。』 「何よ、一人だけ幸せな空気出しちゃってー!!」 実は昨晩、連絡先を一人の男の子から聞かれていた真希。 『とりあえずそのガツガツした網タイツはやめたほうが良いと思うわ。』 「あ!?これ?コイツのせいなのね、私がモテなかったのは!これを脱げば男の子が寄ってくるのね?」 『…や、絶対って訳じゃあないんですけども……。』 こんな感じで最近はいつも合コンは失敗続き。 そりゃあ確かに、元彼と連絡取れなくて泣きまくってヤケ食いした時は10kg太ったわよ、一月で蔦谷のDVD棚一段分制覇したわよ。無料ケータイサイトで100本も小説読んだわよ。 でもさ… 私だってまだ25なんだし、恋愛したいんだよ…。 違う、死ぬほど愛されて、死ぬほど愛したいの。 そういう関係が出来れば、別に体の関係なんてあってもなくても良い。 ただ、そういう人に出会いたい。 このまま仕事女で終わりたくない。 どうすれば…良いんだろう…。 『ねぇ、香織。そんな暗い顔してないでさ、お昼ご飯食べに行こう?』 真希は凄く優しい。私が自分の気持ちを全面的に体で表現しちゃってるからかもしれないけど、それでも真希はいつもこうやって慰めたり元気付けたりしてくれた。 真希がモテる訳が分かる気がするなぁ…。 とりあえず、私は真希と昼食を摂る事にした。 『申し訳ございません、只今満席でして…。待ち時間30分程かかるかと思うのですが…。』 行きつけのお店が珍しく満席で入れなかった。 「えー!昼休み終わっちゃうよー!」 『そうだね、うーん。仕方ない、今日は社食(社員食堂)行って食べようか?』 「そうだね、そうする。何か私やっぱ運悪いかもー!」 真希にぶちぶち愚痴を垂れながら歩いていると、裏通りに奇妙な店を発見した。 「真希、あんなトコに喫茶店がある。」 『あ、本当だ!どうする?ちょっと行ってみる?』 坂道の中間に位置した斜めの喫茶店。そこまで繁盛している様子もなかった。 「うん、行くー!」 【BGM Britney...BUSTED】
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