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夕方の由梨の事を思い出す。
「もしかして…物語を奪われた人間は、夢を無くしちゃうの?」
「そうだ。
奴等はヒトの物語を奪う。
物語を奪われた夢は奴等を操るあの男の手に渡る……
それだけは阻止しなきゃならないんだ」
あの、男………?
「気付いて居たんだろう?もう、始まってるって」
「もう否応なしに気付きましたとも!
ミサトが喋ってる時点で。」
ちょっと嫌味を込めて返す。
気付いたんじゃなくて気付かされたんじゃん。
このランドセル君のせいで。
「ボクは先回りをした。」
「何の事?」
「夢の中で、忠告しただろ?
その後にあの男が現れた。
ボクの言葉で少なからず君は物語を意識していたから、あの男は手出ししなかった。
でも………」
「でも?」
「お陰さまで、味方だと思われちゃった訳よ」
ミサトが欠伸をしながらとんでもない事を言う。
「味方って?何の味方?」
「人間から物語を護る『テイル・テラー』の一味だと思われてるのよ」
「何ソレ」
「要は、奴等からは敵だと思われてるってこと!」
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