3.真夜中の序章

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夕方の由梨の事を思い出す。 「もしかして…物語を奪われた人間は、夢を無くしちゃうの?」 「そうだ。 奴等はヒトの物語を奪う。 物語を奪われた夢は奴等を操るあの男の手に渡る…… それだけは阻止しなきゃならないんだ」 あの、男………? 「気付いて居たんだろう?もう、始まってるって」 「もう否応なしに気付きましたとも! ミサトが喋ってる時点で。」 ちょっと嫌味を込めて返す。 気付いたんじゃなくて気付かされたんじゃん。 このランドセル君のせいで。 「ボクは先回りをした。」 「何の事?」 「夢の中で、忠告しただろ? その後にあの男が現れた。 ボクの言葉で少なからず君は物語を意識していたから、あの男は手出ししなかった。 でも………」 「でも?」 「お陰さまで、味方だと思われちゃった訳よ」 ミサトが欠伸をしながらとんでもない事を言う。 「味方って?何の味方?」 「人間から物語を護る『テイル・テラー』の一味だと思われてるのよ」 「何ソレ」 「要は、奴等からは敵だと思われてるってこと!」
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