3.真夜中の序章

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そんなぁ……… 訳分かんないけど、やばい事になったのだけは分かる。 「敵って事は闘うの?」 「うん。それで今君を探して『ブラック・シープ』が徘徊してるから、気を付けてって言いに来たんだよ」 「!!!!!」 ハイカイなんてホラーな単語だけで厭なのに、そのターゲットが私だなんて…! 「死んだフリとか通用する?」 「そのまま物語を抜いてブラック・シープは任務完了だね」 ギャグの通じない子だわ… 「助けてくれるんでしょうね!?」 「無理だよ。ボクは忙しい」 ミサトなんかもう寝てるし… 「どうやって闘うの?相手は?武器は?」 「きっとそのうち分かるよ」 そんな呑気な事を言う少年の後ろで、私の部屋の窓ガラスが派手な音を立てて割れる。 「気付かれちゃったね」 「アンタが悠々と喋ってるからでしょーが!!!」 「言っとくけど、逃げても隠れても無駄だよ。 奴等は何処にでも居る」 「どうしたらいいのよぉ」 夜の闇の向こうでざわめく不気味な音を聞きながら、春風は助けを求める。 「イメージしてご覧。 君には立派な夢と物語がある。 きっと味方を呼んでくれるさ」
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