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少し肌寒い秋の夜中。
小さくとも大きいとも言えないような割と普通の島の、島の中では割と大きめな街の中にある、普通のアパートの一室。
一つの灯りと紙を捲る音、紙の上を鉛筆の芯が走る音だけがそこにある。
少女は少し疲れていた。
母が持ってきてくれた温かいココア。
半分も飲まずに冷えきっていた。
私だって、夏休み、遊んでた訳じゃないのに…
少女の頭の中で、そんな言葉が浮かんで消える。
少し寒い夜なのに、秋の虫が、涼やかに鳴いていた。
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