2.夢…ユメ

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二人に共通するのは、極めて礼儀正しい服装だと言うこと。 少年はまだ小さいのにきちっとしたスーツを着て居て、後ろの男性も、燕尾服を着て、白い手袋をしていた。 まるで今から、大きなコンサートホールで指揮を執るかの様に。 少年の瞳は髪と同じ金色だった。 男性の顔は……山高帽子を深く被っているせいで分からない。 ただ背の高さと服装が、寡黙な紳士と言う印象を与えるばかりだった。 またもや唖然とする春風を睨むように見つめて、金髪の少年は言った。 「希望ある未来…?笑わせるな。 そんなもの一度踏み外して落ちたら終わりだ。一歩一歩昇った階段も、落ちたらぜーんぶオシマイ。 だったら皆踊り場で踊れば良い。 心の物語?そんなモノ知るか。 ……夢は皆、僕のモノだ!!!」 噛み付くように最後の台詞を春風に投げ付ける。 ビクッっと怯んだその一瞬に… 金髪の少年と男性は目の前から消えて居た。 辺りを見回しても居ない。それどころか、黒髪の少年も居なかった。 突然、春風は恐怖に襲われた。 何が起きているの? 気付けばこんな時間なのに何も音がしない。 鳥の鳴き声も、下校する生徒が居る様子も、夕飯の仕度をする家庭の音も何もない。 「……いったい…何なの?!何だって言うのよー!!!!!!」
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