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「心臓が……ない?」
マリアさんは黙ってうなずく。
「し、心臓がなかったら普通、死にますよね」
「私は神だから」
と、マリアさんは笑って答えた。
「だからって自分の心臓を代価にしなくても…」
うろたえる僕を見て、マリアさんはもう一度さっきの地図を出した。
「浩二君、さっきは言わなかったけどね、ここを見て……」
マリアさんが指差すところにはファントムの湖と書いてあった。
「ファントム……」
「そう、奴らは悪魔よりたちが悪いの。どうしてかわかる?」
僕は首を傾げる。
「奴らは私達にとって一番大事な夢を喰うのよ」
全身に鳥肌が立った。心臓も激しくなる。
「ねぇ、浩二君。そんな奴らを野放しにしてたらどうなる?この国はすぐに滅びるわよ」
例えそうなったとしても、マリアさんはこの国に残っただろうと話してくれた。マリアさんは壮大な愛のチカラでファンタジアを護っているのだ。
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