第1話
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「葵さんさぁ、」 「え、ちょっと待って!何で名前知ってるの?」 思わず男の言葉を遮る。 男はキョトンとした顔をした。 「…ひょっとして記憶ない?」 こくんと頷くと、男はため息をつく。 「どこまで覚えてんの?」 必死に昨日の記憶を手繰り寄せる。 確か昨日は誕生日で、もう三十路か…って思いながら美紀と飲んでたら、美紀が結婚するとか言うからやけ酒になってきて……
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