★*夏祭り*★

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「悠っ…ごめんなさい!何で…きれぇな…お姉…さんと…いる…の?」 抱き着いた瞬間、急に涙が溢れてきて上手く喋れない。 「えっと……僕は悠じゃない…よ?僕は」 「馬鹿野郎!」 悠じゃないと言われて動揺し、私はその人から離れようとしたら罵声が聞こえたと同時に、 今度は私が後ろから抱きしめられた。 「馬鹿野郎……こっちが悠だ。沙由。」 本物の悠の声は優しい。 悠の顔は見えないけど、本物ってわかる。 悠の匂い…悠の声…悠の手…悠の温もり…。 全てが私の大好きな悠のものだから。 「ううっ…悠…ごめん…。私を許して……嫌わ…ないでぇ…。」 一度私を抱きしめる悠の手を解いて、方向転換をしてから悠に正面から抱き着いた。 「何言ってんだ…?多分、沙由は誤解もしてるだろうし…俺の話すこと、聞いてくれる?」 聞かないわけがない。 私はしゃくり上げていて、上手く声が出せないから、小さく頷いた。 小さな期待と、大きな不安を抱えながら… 「まず…俺もごめん。光一とか海斗に嫉妬してて…あんなこと言ってしまったんだ。 すぐに謝ろうと思ったんだけど、嫌われたって思うとなかなか言えなくて……ホント…ごめんな。」 悠は私をギュッと抱きしめてくれる。 私は安心して…更に涙が溢れてくる。 もう…この先生の温もりだけでも十分に伝わる。 悠はさらに言葉にしてくれたけど…… 悠は私のことを好きでいてくれてる。 それから、私と同じだったんだ。悠も。 嫌われたかもしれない…と思うと謝れなかったんだ。
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