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「ところで……晩飯は?」
さてと、そろそろ次の展開もわかってきたと思うが一応聞いてみるとしますか。
「あぁ、それなら……」
元気よく答えてくれる姉貴。
その笑顔が今の俺にとってどれだけ憎いことか。
さて、そろそろ来ますよ。予想通りの展開が……。
「お父さんが作ってくれるって♪」
はい、来ました。
これはそうですね。
俗に言う死亡フラグってやつですかね、はい。
…………………。
…………………。
…………………。
………えっ?今何つった?
「姉貴、わりぃがもう一度言ってくれ」
「むむむっ!?もぅ、なっつ~?疲れてるの?お姉ちゃんがマッサージしてあげようか?」
「いや、全力で遠慮しておくわ」
さらに疲れるような気がします。身の危険すら感じるし。
ってか何されるかわかったもんじゃねぇし。
「それよりも父さんが帰って来てるのか?」
「うん、なんか今日早く仕事が終わったんだって♪」
……栗鼠寅(正確にはカタカナ表記)じゃねえだろうな?
「夏輝、今何か失礼なこと考えてなかったかい?」
俺がなんか不吉なことを考えているとキッチンにつながる扉がガチャッと開き、そこから静かに怒るような声と同時に一人の男が出てきた。
っていうか俺の父さんの《柊 冬彦(ふゆひこ)》が出てきた。
俺の顔を少し老けさせたような感じの俺のそっくりさん。あっ、いや、俺がそっくりなんだけどな。
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