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ドクンドクンと心臓が暴れ回り、逃げ場を求めて口から出そうになる。
今、アタシは教室の前の扉を穴があくほどに凝視していた。
やがて扉はカラカラと音を起てて開き、扉から中年のスーツを着たハゲが現れた。
……現れたのはハゲだけだった。
視界を360度まで拡げ10メートル先まで透視をしてみても、いやそんな事は出来ないけれどもとにかくいたのはハゲ担任だけであった。
アタシはがっくりとうなだれた。計何回目の失望だろうか?
美少年もしくは美少女転校生はお約束の筈なのにアタシは15年間一度も出会った事が無い。
ハゲはホームルームで抜き打ちテストが明日行われる事と家庭科の先生が産休に入った事を告げ教室から出て行った。
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