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「ヒナリン! なんでそんなに平然としてんだよ。
そんなんじゃ地球が滅亡しかけたとしても緑茶とかをゆっくりと飲んでそうだな」
ホームルームが終わった後、すぐにアタシは話かけられた。
中性的でセーラー服が《月の女子高生戦士》より似合っているコイツに。
「そんな事無いわ!アタシは珈琲の方が好きだもの。
それにこう見えてもアタシ落ち込んでいるのよ?」
コイツは全く分かっていない。
アタシが毎日美少年もしくは美少女転校生に出会えなくどれ程嘆いているのか。それに珈琲の味わいも……。
「やっぱりショックだよな。
抜き打ちとかありえないっての」
「は?テストの事?
そんなのどーでもいいわよ!」
本当にどーでもいい。過去の忌むべき産物のせいで学力だけは無駄にあるのだから。
世の中で最も重要なのは容姿なのだという宇宙の真理に気づく前のアタシはバカだった。
学力を磨けば幸せになれると思い込んでいて勉強に明け暮れ徹夜もザラで日々の平均睡眠時間は120分を下回っていたと思う。
その時の産物としてアタシには無駄な学力とパンダのようなクマがある。
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