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「テストだぞ?
どうでもいいわけあるか!」
コイツはアタシの頭をスパコーンと叩いてきた。
微妙に痛いし、鬱陶しい。
「ああ……そうだったよな。
ヒナリンには一般生徒の苦労なんか分からないよな」
「そりゃアタシは天才だからね」
嫌味に対しては嫌味で答える。
目には目、歯には歯、が相応しい。
ハンムラビ法典は昔の法律ながら今の時代でも見習うべき所がある。勿論法典にも身分差による不平等はあったが、それは時代柄仕方がないとも言える。
「そっか、ヒナリン様は天才だったよな!
だから……オレに勉強を教えてくれないか?」
ここまでの開き直りは逆に素晴らしく思えた。意地より実を取る。
コイツは社会に出ればどこまでも通用しそうな人材だ。
それにアタシとしても美少女に勉強を教えるという構図は望む所だ。
キレイな女性は同性から見ても目の保養になる……しかし。
「アタシは美男子でも美少女でも受け入れられるけどオカマだけは無理なのよ。
なんかイメージからして気持ち悪いわよ」
「は!? オレのどこがオカマだってんだよ?」
「鏡を見てからもう一回そのセリフ吐いて欲しい物だわ。
どこの世界にセーラー服で登校してくるノーマルな殿方がいるっていうのかしら?」
そこで、うっ…とコイツは言葉に詰まる。
当然のことである。今コイツが鏡を見れば美しいセーラー服姿の自分が映るのだから。
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