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「し、仕方ないじゃないか!」
「確かに仕方ないわよね。
ユウコはアブノーマルなんだから」
「違うてぇの!! それにオレの名前はユウマだよ!」
八木原悠真(やぎはらゆうま)
それがコイツの本名だ。
「恥ずかしがる事ないわよ。
立派な趣味じゃない」
ユウマは顔を真っ赤にしながら地団太を踏む。可愛い。半端無く可愛らしい。
これがオカマだと思うと萎えるのだが見た目だけなら80点越えは堅い。本当に勿体無いものだ。
「だからぁ、違うってんだ!
ヒナリンは知ってる筈だろ?」
ええ、勿論知っている。
知っていてからかっているのだ……可愛いから。
ユウマの両親のモットーは≪家には娘しかいない!息子はいらない!≫なのだ。
多少の同情はするがアタシ自身も被害者だ。三次元の希少種である美少年がこの世から一人消えたわけだから世界恐慌並みの大打撃である。
「はいはい、そんなに怒らないで。
今度勉強みてあげるから」
「おっ、マジでいいのか?ラッキー」
なんという切り替えの早さ。本当にユウマは社会で成功するタイプだ。
意地やプライドより実を取る……だからこそ両親の言うがまま女装させられてるのだろう。
アタシは尊敬半分呆れ半分の眼差しでユウマを眺めていた。
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