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「すまんすまん…」
涙目になりながら
フィギュアオタクは言った
「………」
マサは唖然として
言葉が無かった
「俺は佐藤。佐藤 隆介
1-A安岡と同じクラス」
「…佐藤な」
「で得意?サッカー」
「得意ちゃー得意
一応幼稚園からサッカー
やってっからそこそこ」
「よしじゃぁ決まりな」
「はあ?」
いやなにが?
いやこんなナリしてっけど
サッカーしてるけど…
確か紅白戦がどうとか…
まさか……!?
「なあ佐藤…」
「ん?」
「もしかして俺…
紅白戦出んの?」
「おっ不良の割りに頭いいな
いやー助かったよ」
一人納得してマサの
手を引いてグラウンドに向かおうとする隆介
「ちょっ…!待てよっ!」
その手を振りほどいて
立ち止まるマサ
今更だが学校では教師に
反抗し学校も初日からサボり
瑠璃に監視され無愛想
狂犬マサと異名を持つ安岡さん
そんなのお構いなしに
ずけずけと土足でマサの
中にくる佐藤…
「なに?」
「いや…俺なんか行ったら
顧問に叱られるぜ?」
「関係ねえーよ。
熊の言うことなんかシカト
実力もねえのに指示だして
俺らの事なんか見ちゃ
いねえーからよ」
実力で熊を黙らせろ
グラウンドで待ってるぜ政良
そう隆介は付け加えて
屋上を後にした
実力…か
マサは寝そべり呟く
ケンカして教師に刃向かって
なにが楽しいんだか…
マサは起き上がり
屋上を出て行った
風がマサを後押しするかのように吹き荒れた。
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