21人が本棚に入れています
本棚に追加
「瑠璃ちゃん~遅刻するわよ
早く起きなさい~」
「ママ…今行く~」
真新しい制服に着替えて
階段をかけ下りる
いってきまーす
「高校生かぁ…
近くのとこ選んだからみんなと 一緒だし頑張ろ」
家から10分の距離にある
青葉学園に通う事にした瑠璃
家柄でそう遠くの学校に
通わせてもらえないのが現実
キーンコーンカーンコーン
ガラガラ
勢い良くドアが開いた
「ちぃ~す」
金髪に両耳ピアス
金のネックレスをつけた
今時いないであろう不良が
帰りのホームルームの時間に
やって来た
「あっ……」
窓側の後ろの席に居た
瑠璃が声を漏らした
そして立ち上がった
「ん?」
静かな教室で不良少年も
瑠璃の声に気がついた
「あんたは…
家の松の木を倒して逃走した人 ね!証拠はあるんですから逃げ ようたってそうはいかないわよ !」
早口でまくし立てるように
席を立った瑠璃が指を差して言った
「んあ?
んなシケたことしてねぇし
(あれバレてたんだ…ヤバッ)」
髪をかきあげながら
瑠璃に近付いた
周りの生徒は唖然として
その光景を見ていた…
「はぁ?人んちの松の木を
倒しといてなにその態度」
不良少年にしか聞こえない
ようにチッと舌打ちをして背伸びをした瑠璃
「………」
プッチーン
その態度が気に食わなかった
のか瑠璃に向かって殴りかかった
明らかあんたが悪いって
━━パンッ
向かって来た拳を瑠璃は
微動だにせず手のひらで止めた
「なっ……」
拳を握られたまま動けない…
最初のコメントを投稿しよう!