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何度かのやりとりの後、返信は途絶えた。
本当にもう修復できないのだ。
永遠に彼を失ってしまった。
あたしの軽率な言動で。
翌日…
彼のバンドのメンバーで、あたし達を応援してくれたヒロくんにメールを送った。
寂しくて辛くて誰かにぶちまけたかった。
「あたし達、別れました。
今まで色々とお世話になりました。
彼の事、これからも宜しくお願いします。」
もっと無茶苦茶に言いたかった。
なのにあたしが作ったメールはあっさりしたものだった。
すぐにヒロくんから返信がある。
「またまたぁ!
二人で共謀してからかってるんでしょ(笑)」
ドッと疲労感が襲った。
そうか、ヒロくんにはまだ話してないんだ…
相談するのはいつもヒロくんなのに
相談する程の事だとも思われていないって事ね。
眠れずに泣き明かした腫れた目蓋はぼってりと重い。
妙に落ち着いた気分でヒロくんにメールを送る。
「本当です。
修復不可能みたいです。」
ヒロくんから
返信はなかった。
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