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それから
あたしは物分かりの良い女に徹した。
もう、この人の彼女ではない。
7人居た内の最下位に置かれているのだ。
そう思えば少しは気が楽で。
ワガママも出ない。
「本当に本命はお前なんだよ。」
「他は浮気。気持ちがお前から移った事はない。」
どんなに彼が訴えても
無理矢理に口角を上げて
「またぁ。ウマイね!」と茶化した。
「良いの、あたしは。
こうして一緒に居られたら。
充分幸せだから。」
笑えていたかどうか
分からないけど
自分に言い聞かせるのには成功していた。
一人の夜を除いては。
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