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あたしはあの一件以降
悪い癖が直せないでいた。
彼の携帯。
見ずには居られなくなっていたのだ。
だから他の女と会う日も時間も把握していたし
急遽誘われて会ったとしても知っていた。
「今頃は○○チャンとセックスかぁ。」
鳴らない携帯を眺めて呟いたりした。
わざと
「昨日はバイトの後、何してたの?」なんて聞いて誤魔化す彼に鼻で笑って見せたりした。
そして
無理に無理を重ね、疲れていくあたしに
彼は言った。
「今すぐは無理だけど
絶対に他の女切ってお前の所に戻るから。
信じて。
少し時間をくれ。」
あたしには良く意味が理解出来なかった。
「無理しなくて良いよ。
もう、戻れないでしょう?
期待するのはキツイから。」
笑いながら何故か涙が止まらなかった。
きっとそれは
嬉しくもあって
辛くもあって
諦めていたから。
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