彼女

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彼が泊まりに来た夜。 あたしはすっかり不眠症もどきになってしまい 寝つきがとにかく悪かった。 いつもの様に 彼の携帯を手に取り メールを見る。 もうほぼ平常心で義務のような感覚だ。 少しだけまだ傷付くけれど…見ないでいるとあたしのポジションを忘れてしまうから。 受信ボックスに 見覚えのあるようでない名前。 そう、今まで入っていなかった名前だ。 あたしはこの名前を知っている。 久美… あたしが彼のライブに行かなくなった原因でもある、彼のファンだ。
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