彼女

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あたしは落ち着いていて冷静に症状を伝え、調べた病名を挙げた。 「きっと、そうだと思うのですが…」と。 どこか他人事のようだった。 他人事だと思わなければとてもとても平常心で居られなかったからだろう。 周りの目が何より気になるあたし。 醜くて自信のないあたし。 被害妄想で押し潰されそうなあたし。 医者は中年男性で、あたしの言葉に少し驚いていた。 「良く調べたんだね。 きっと間違いないでしょう。 直接診て治療しますから隣の部屋へどうぞ。」 治療…?? 塗り薬や飲み薬で治ると思っていたものだから ここで一気に不安が押し寄せた。 「治療って? 何をするんですか?」
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