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そう、あたしはあれから久美の友人に協力して貰い
久美と連絡を取り合っていた。
何も知らないフリ
何も知られていないフリで。
病院そばの小さな公園で
付き添ってくれた仕事仲間が悲しそうに見守る中
醜い般若のあたしは久美に全てを打ち明けるつもりで。
発信音の後
明るい声が頭に響いた。
ウンザリする。
虫酸が走る。
吐き気がする。
だってこの声で久美は彼と電話をしている。
彼に甘えている。
股を開けばもっと甘い声で彼を誘惑している。
泣きそうになりながら
罵りたい気持ちを抑えながら
あたしは震える声を出す。
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