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俺達は、校舎の中に入った。
そして、いきなり目にしたのは、泣いている女の子。
しかも、倒れていた。
それを平気で無視する他の子供たち。
俺たちは当然無視なんてできなかった。
できるはずもない。
「大丈夫!?」
真っ先に駆けだしたのは春海だった。
その次に俺、親父が続いた。
「痛い…お腹が…」
女の子は歯を食いしばり、そう言った。
「腹痛…。」
「ちょっと!!保健室に運ぶわよ!」
「ああ。」
春海はその子を抱っこして、保健室へ運んだ。
「力持ちだな・・・。」
「男にもたれるのなんていやでしょ。普通」
そうだな。
春海はダッシュで保健室へ急ごうとする。
でも、すぐに止まった。
「どうした?」
「保健室ってどこ?」
「え。」
しらねーよ!
すると女の子が動いた。
「自分で…いけます。
…ありがとう…ございました…。」
「え。大丈夫?」
「…はい…」
そう言って女の子は行ってしまった。
本当に大丈夫なのか?
それだけが心残りだった。
「…それじゃぁ校長室行くわよ。」
「ああ…。」
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