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「川石 敬助…」
「知ってるんですか?」
俺が尋ねる。
「知ってるわよ。」
「どんな…人でした?」
次に春海が尋ねる。
「…知ってると思うけど、ここはいじめで有名な小学校なの。いろいろ仲良くするためにイベントや、交流会を開いた…。でも、いじめはおさまらなかったのよ」
………。
「そのだいぶ後くらいにね、川石くんが転入してきたわ。
とってもかしこい子で…。
でもね、それがいじめっ子の目に留まったの。」
「…つまり…いじめの標的にされたんですか?」
「そう。下級生からも先輩からも…毎日毎日耐えてたわ。
辛くても学校にきた。彼には心から信じてる友達がいた。
だけど…そのこは、いじめのリーダーだったのよ…。」
信頼してたやつがリーダーだったのか…。
最悪だな。
「それっきり、川石くんは学校にこなくなった。
私も何度も彼を守ってきた。
けど、それは目のとどく範囲だけ…。全部は守れなかった。」
友達という名の裏切りもの。
その言葉が頭の中をよぎる。
アイツは、友達に裏切られて…その悲しみで…。
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